銀魂のカリスマ高杉晋助

銀魂=高杉。というくらいマニアの中では、
突出したカリスマ性を持つ男、
それが、高杉晋助だ。

高杉晋助

全編を通して登場回数も少なく、
ある意味それが独特のミステリアスな存在感をはなっているからだ。

その風貌は、片目に包帯を巻き、
長尺の煙管を咥え、
女郎の着物を羽織り、
その半狂乱気味の笑みで「クックック、俺ぁただ壊すだけだ」と宣う。

スタンリー・キューブリックの映画、
「時計仕掛けのオレンジ」のマルコム・マクダウェルばりに壊れた過激攘夷派テロリストだ。

初めて紅桜篇でその野望を露呈させるが、
これがアニメ銀魂劇場版第一弾「銀魂新訳紅桜篇」として公開された。

人斬り「岡田似蔵」赤い弾丸二丁拳銃を操る「来島また子」
変態ロリコン策士家「武市変平太」
いつもヘッドフォンと三味線をたずさえる謎の交渉人「川上万斎」(音楽プロヂューサーつんぽさんという一面も)

これらを率いて国家転覆を謀る鬼兵隊が、
謀略を張り巡らす話。それが、紅桜篇だ。

廃刀令のご時勢に刀鍛冶「村田仁鉄」をそそのかし、
バイオ兵器の妖刀紅桜を作らせ工場で大量生産させる高杉。

岡田似蔵の手に寄って、その妖刀で、
まず銀時の盟友「桂小太郎」が惨殺される。

そして遂に、その手は銀時に。

危うく一命をとりとめた銀時だった。
銀時は高杉の計画を阻止すべく「兄者の血迷った行為をやめさせてくれ」と、
懇願する仁鉄の妹鉄子の依頼を受ける。

単身負傷した体で看病する志村妙の制するのも聞かず、
銀時は鬼兵隊の艦隊へ乗り込む。

妖刀紅桜に体を侵食され、
自制がきかなくなった岡田似蔵を討つ為に。

銀時の木刀は万能なのだが、
それでは太刀打ちできないと鉄子は、
唯一紅桜に対抗できる自ら打った刀を銀時に渡す。

銀時を制した「お妙」は、
なぜか、黙って玄関口に傘と銀時のブーツをそろえて置いておく。

「その体でも、どうせ行くんでしょ銀さん・・・馬鹿な男」
「変な女」BGM歌舞伎町ぶるーすの流れる中、
銀時は、ひとり戦いに乗じるのだ。

二人の独り言が、微妙に交差する粋なシーン。

筆者が特に好きなシーンだ。
劇場版での視聴をおすすめする。

一方、神楽は人質となり、
新八とエリザベス(桂のペットでオバケのQ太郎のような容貌の中は、おっさんらしい=たまに喋る)も神楽救出へ向かう。

しかし、そのエリザベスは桂の変装であった。

斬りあう桂と高杉。

高杉晋助の過去

銀魂 高杉と銀時

ここで過去の話をすると、実は、
エイリアンの侵略を阻止する攘夷戦争時代、高杉、桂、銀時。

そして、坂本辰馬(彼は宇宙の商人を目指し江戸を離れるが)
4人は共に戦ってきた盟友だった。

しかし、高杉だけが穏健攘夷派桂と銀時らと袂をわかった。

同じ吉田松陽先生の松下村塾で学んだ友であったのにだ。

なぜ、高杉がそうなったかは描かなかった、
作者・空知英秋氏は過去篇でその全貌を明かす。

再び話を紅桜に戻そう。

桂は憂いをもって問う。
「高杉、俺たちは志しを同じくしていた。貴様は、いつから箍(たが)ってしまったのだ?」

桂が、一命をとりとめたのは、松陽先生の本を盾に刀が刺さらなかったからだ。

高杉が「お前もまだ、そんな本を持っていたとはな」失笑する。

その本こそ、彼らにとっての吉田松陽先生の教書、
いわば、武士道的聖書であったのだ。

デンゼル・ワシントン主演の「ザ・ウォーカー」(原題BOOK OF ELI)のように、
混乱した時代に思想的書物の価値を示唆したもの。

または、忍びの哲学書「葉隠れの書」があるように、
ここで2人の微妙な気持ちのズレ、アイデンティティーを、
その本に見たてて表現した空知氏の演出は小気味よい。

高杉晋助の魅力

銀魂 高杉

銀魂の実写化に関して、筆者は黒田雄一監督が、
シークレットキャストで高杉をカメオ出演させるという、
粋なはからいがあるのでは・・という期待を密かに抱いていた・・・。

その期待は実現し、高杉晋助は堂本剛が演じるようである。

初めて銀魂に、一瞬登場した高杉は、
源外をそそのかし、将軍暗殺を進言している。

そして多くを語らないが高杉は、そういう男だということ(ファン投票でいつも上位)

銀時との対決篇を描いてしまったが、
その不気味な笑いの奥には、決して笑ってはいない高杉というアイコン、
生身の人間像を作りだしたのである。

江戸の粋文化を描ける空知漫画の醍醐味が、
そこにあるなら、高杉という一人の男も魅力的になるのは当然のことであろうか。

決して、高杉も完全な悪ではないのだ。

そんな漫画に銀魂を昇華させていくように、
最近の空知氏はシリアス長編路線を走っている。

最近舞台は、また歌舞伎町に戻っている。

銀魂が終わるという噂は、
またまた空知氏の「終わる終わる詐欺」で済んでしまうのだろうかw?

彼のもっとも尊敬する漫画家は「こちら亀有公園前派出所」の秋本治先生だということを付け加えて。

この高杉論は、これにてお終い。おあとが、よろしいようで。

蛇足ではあるが、高杉の好きな言葉は「酔狂」である。
そんなリアル高杉を観てみたいと思うのは、筆者の下世話な性癖であろうか・・・。


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