妖怪人間ベムの不気味さと魅力を考察

68年10月から放送されたホラーアニメだが、
その人気は06年にリメイク、
11年にTVドラマ化と四半世紀にわたって、

いまだに、われわれの頭から離れられない傑作である。

登場人物は黒いソフト帽をかぶり、
ステッキを持った目の瞳孔がない紳士風のベム。

少しディズニーの悪女的な風貌のベラ。

目がギョロっとしていて、赤いタイツに髪の毛が真ん中だけ立っているベロの3人だ。

一話一話の導入部が、
子供心にとても怖かったのを覚えている。

「暗い音のない世界で生まれ1つの細胞が3つに分かれて増えていき・・・」

と城達也さんのナレーションで始まる。

普段は人間の格好をしているが、本体はグロテスクそのものだ。
ベム(最年長)ベロ(子供)は、脳味噌が露出しているかと思われる頭部。
3本指、そして皆、瞳孔があるのかないのかわからない目をしている。

ベラに至っては、赤い長い髪の毛で爬虫類っぽい出で立ち。

原作は「さかいさぶろう」

漫画化され少年漫画雑誌「ぼくら」(当時タイガーマスクなども連載されていた)に連載。
作画は田中憲(現・田丸ようすけ)が担当。

幼少期、僕はそれをかいつか、親戚の家で読んだ記憶がある。
ベラが妖怪化するシーンだけ覚えている。

02年講談社から復刻している。
アニメ先行のこの作品はその圧倒的完成度と、
おどろおどろしい効果で観るものを惹きつけた。

効果は赤塚不二男という人だったが、
僕はずっとあの天才漫画家「赤塚不二夫」が修行でやっているのだと思っていた。
別人である。

妖怪人間はヒーローもの

JAZZ調のSEの流れる中、次々と気味の悪い事件が起こっていく。
僕は、このアニメを日本初のダークヒーローものだと思っている。

そこは城達也さんが「だが、その体の中には正義の血が隠されているのだ」というナレーションで正義のヒーローであることを強調している。

アメリカンコミックで「X-MEN」というのがある。
昨今やたら映画化され人気を博しているマーベル・シリーズの漫画だが、
その誕生は63年にもさかのぼる。

これも世の中から迫害を受けるが、
人間の為に戦おうというプロフェッサーX率いるミュータントと、
人間を敵とみなすマグニート率いる悪玉ミュータントの二手に分かれ攻防が展開される。

妖怪人間ベムの風貌はどちらかというとマグニート側の、
トード(舌が異様にながく蛙のようなミュータント)や、
ミスティーク(全身青い鱗に覆われている)に近いグロテスクさだ。

しかしリーダー的存在ベムは言う。

「正しい行いをしていれば、いつかきっと人間になれる」と。

この儚い希望を持ちながら戦う3人の悲哀は、
子供ながらになにか格好良さを感じさせた。

事件は半分人間自身が起こす場合が多い。

金の為に富豪の子息と自分の息子をいれかえる強欲なおばさん。
まま子いじめをする義理の母。
妖怪も出てくる。

そして気味の悪い老婆がよくでてくる。
「あの電車に乗っちゃいけないよ」
「あそこに近づいちゃいけないよ」と忠告するところは、
物語の気味悪さをひときわ強調させていた。

しかし、救いは話の根幹が子供の妖怪人間ベロであるという事だ。
普通の人間の子供と友達になりたくてしょうがないベロの純真さ。

作風に漂う無国籍感

そして人気の秘密は、妖怪や悪党と戦う3人の圧倒的強さだろう。
付け加えると作画がなんとも無国籍感漂うこと。

実は、これは製作の第一動画は、
韓国の東洋放送のスタッフを軸に東映動画とTCJ(エイケン)の社員が、
韓国人のスタッフに作画を任せていたことに起因する。

そして舞台も19世紀から20世紀のヨーロッパが意識され
当時放送されていた「ゲゲゲの鬼太郎」とはまるで違う世界観を持ちホラーとしても一線を画していたという訳なのだ。

声優陣も豪華。

今では「ルパン三世」の次元大介で有名な小林清志さんがベム。
鉄腕アトムの声あてをずっとやっていた清水マリさんがベロだった。

韓国とオーストラリアでは放映されていたが、
アメリカへは渡っていなかったということだ。

妖怪人間としての能力は、それぞれ違う。
ベムは鋼鉄のステッキを持っていていちばん強い。

何話かで、そのステッキがとどめになるときがある。

ベラは紫の鞭を腕に巻いていて、これがものをいう。
決め台詞は「あたいを怒らすと怖いよ!」だ。

冷気で物体を凍らせたり、手から妖気をだしたりする。
または、首だけを空中にただよわせたりして相手を怖がらす。
ベラが能力を使うシーンが全26話中いちばん多いかもしれない。

そしてベロは、身体能力がずば抜けていて、
アクロバティックな動きが得意。
しかし、子供なのでいつもベムやベラに助けられる。
走るスピードは3人とも尋常な速さではない。
瞬間移動もできる。

彼等は家族ではないが、妖怪人間というコミュニティ(人間になれなかった者たち)で成り立っている。

原案では、マンストール博士が、ある実験により誕生させたとあり、
博士の死後、ベムたちが生まれたことになっている。

このアニメ主題歌を知らないものがいなくらいの人気を博し最高20.6%の視聴率を記録し何度も再放送された。

僕は、小学生の頃に観ていたので再放送組である。
ハニー・ナイツの唄で途中「はやく人間になりたい!」という科白がはいるのは有名。

ダウンタウンの松本人志も、このアニメがお気に入りだったのか、
トリオ漫才でベム・ベラ・ベロに扮し「ごっつええ感じ」で漫談を披露していた。

いわば国民的アニメなのである。

ベロと子供たちのふれあいのシーンも多々あるが、
これだけ奇妙かつおどろおどろしいホラーアニメが国民の支持を得たというのも面白い現象だ。

やはりアメリカの「X-MEN」に似ているのである。

不朽の名作そしてONE&ONLYなアニメとしてDVDBOXや復刻版など現在でも、
その人気は不滅のものとなっている。

アニメーションの技術は今ほどではないが、
番組差し替えのため当初全52話だったものが、
最終回、警察官に取り囲まれ家ごと火をつけられるという終わり方をしている。
全26話でおわっているというのも希少価値を生んだのだろう。

やはり作画が素晴らしい。

これぞ日本が、昭和のアニメとして世界に誇れる作品の中のひとつであることは、
間違いないであろう。

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コメント

  1. 名無しのリーク より:

    香川県ルーちゃん餃子のフジフーヅはバイトにパワハラの末指切断の大けがを負わせた犯罪企業。中卒社員岸下守の犯行。